自動ネスティングは、複数の部品形状を与えられた材料に効率よく自動で配置する機能です。自動ネスティングでは、部品を回転させたりフィットさせ、材料の歩留まりを最適化する形状配置を自動的に計算します。しかし、大部分の自動ネスティングは、作業者が修正し作業時間の最適化ができないこともあります。
自動ネスティングには、納期や他の客先ごとなど任意の部品をグループ化し、グループごとにネスティングするグループ機能や自動で抱き合わせペアを作成して歩留まり率を向上させるペアリング機能があります。
この場合、加工後の仕分け作業も配慮しなければなりませんが、次工程ごとに部品を色分けするなどして識別する工夫もされています。また、優先順位を付けたグループ分けも可能なソフトもあり、この機能1つで歩留まり向上と生産性向上に大きく貢献できます。
歩留まり(歩留まり率)とは、材料からどれだけ製造へ使えたかという割合であり、
材料面積に対して実際に得られた成果物の比率です。
例えば切断加工で素材となる鋼板から特定形状の部品を切り出すとして、
素材の鋼板一枚(面積5,000,000㎟)から部品総面積(4,000,000㎟)切り出せた場合、
歩留まり(歩留まり率)80%となります。
そのため、歩留まり(歩留まり率)は 「材料を効率よく使い切れた割合」と表現することも可能でしょう。
歩留まり(歩留まり率)が高い場合ほど材料のロスを減らすことができるため、 コストパフォーマンスを高めることができます。
逆に歩留まり(歩留まり率)が低い場合、材料がたくさん無駄になって コストパフォーマンスが悪くなります。
通常は手作業で行われているネスティング作業が正しく自動化されれば、作業者の負担が軽減される上、工期を短縮することも可能です。
自動ネスティングをマニュアル化すれば、それまで特定の従業員や作業員だけが行えていたネスティング業務を他の誰でも行えるようになります。
ネスティングの属人性を緩和できれば急なトラブルが発生した際にも対処しやすくなり、専門人材をより効果的に配置できることも重要です。
また、自動ネスティングにより、歩留まり率を高めることができれば、 材料を有効活用できるため、コストパフォーマンスを高めることにもつながります。
特に高価な材料や素材を使っている場合、歩留まり(歩留まり率)を高める取り組みはとても大切な企業努力になるため、 自動ネスティングの価値が一層重視されることとなるでしょう。
新しいシステムやソフトを導入する場合、注意すべきことが既存環境や設備などとの互換性です。仮に自動ネスティング環境を目指してネスティングソフトを採用するとしても、どのような設備や周辺機器に対応しているのかをあらかじめ考えておかなければ、十分に導入メリットを得られない恐れがあります。
自動ネスティング機能を備えているCAD/CAMシステムであれば、そもそもCAD/CAMシステムと互換性のある周辺機器と一元管理することが可能です。
新たにネスティングソフトを導入する場合、既存のCAD/CAMシステムや現状の環境との互換性を正確に確認しなければなりません。
ネスティングデータをレーザー・プラズマ・ガス・ウォータージェットなどの加工機で切断するには、CAD/CAMソフト上で加工経路の登録・加工条件の設定やプロフラム変換を行い、そのデータを加工機(切断機)で読み込む必要があります。
一般的な操作方法は以下のようになります。
画像引用元:SheetPartner公式サイト
https://sheetpartner.jp/
歩留まりを最適化してネスティングを行う。
画像引用元:SheetPartner公式サイト
https://sheetpartner.jp/
ネスティングデータに合わせて素材の切り方や加工法を決定する。
画像引用元:SheetPartner公式サイト
https://sheetpartner.jp/
使用する加工機に合わせたデータ(NCコード)を出力する。
画像引用元:SheetPartner公式サイト
https://sheetpartner.jp/
出力したNCコードをNCプログラムで読み込んで、加工を実行する。
自動ネスティングに対応しているソフトやシステムは各メーカーから販売されていますが、メーカーや製品ごとにそれぞれ特徴があります。そのため、適切に自動ネスティングを活用していくためには、まず各システム/ソフトの特性を理解した上で、自社の環境や求める目的へ合致しているか確認することが必要です。
また、複数のネスティングソフトについて資料請求や問合せを行って、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することも重要です。
資料請求などによってネスティングソフトの比較検討を行った後、自社のニーズへマッチしていそうな製品を見つければ、無料のトライアルやデモ版を利用して実際の使用感をチェックすることも欠かせません。
トライアルではネスティングソフトの使いやすさだけでなく、自社の設備との互換性や相性も確認できるため、試用期間の間に色々と試してみるようにしましょう。
なお、ソフトによっては貸し出しを受けても、操作方法がわからないということから、無料体験版などが存在しないこともありますので、詳細は各メーカーへ問い合わせてください。
可能であれば、すでに自動ネスティングを導入している企業や工場などへ意見を聞いてみることが望ましいでしょう。もしも気軽に質問できる得意先や取引相手がいない場合、各メーカーの担当者へ相談して、自社の作業環境との相性について詳しく話を聞いてみることが大切です。
誠実なメーカーの担当者であれば親身になって相談に乗ってくれるでしょうし、もしも不誠実な対応をされたとすれば、導入後のフォロー体制に不安があるためそもそも導入候補から除外することができます。
本当に信頼できる担当者と出会えた場合、自動ネスティングの導入をサポートしてくれるだけではなく、導入後のフローや現状の課題についてもアイディアを出してもらえるかもしれません。
また、導入時・導入後の自社の業務フローに合わせたカスタマイズが可能かどうか、保守費・バージョンアップ費などのランニングコストがどれだけ必要になるのかも重要な検討要素となります。
ここでは、自動ネスティング機能を搭載した切断加工系のCAD/CAMを紹介します。
SheetPartnerは、低価格・高機能・省操作を特徴とする板金系2D CAD/CAMシステムです。その中でも特に注目すべきは、材料費と人件費を大幅に削減する「自動ネスティング(AIネスト)」機能です。/p>
画像引用元:SheetPartner公式サイト
https://takesoft.com/products/prod_sheetpartner.html
SheetPartnerの「AIネスト」機能は、板金加工における最大の課題である材料コストと作業時間の無駄を、革新的な自動ネスティング技術で解決します。
AIネストは、人間による手動配置を凌駕する業界最高水準の高歩留まりを実現し、材料費を平均7%削減します。
例えば、これまで1時間以上かかっていたネスティング作業をわずか1分で計算し、人件費を平均70%削減。計算中もリアルタイムで部品配置を確認でき、客先や納期ごとのエリア分けネスティングにも柔軟に対応。また既存のSheetPartner/TEPROM L50/CADBOYユーザーも、AIネスト機能のみを追加導入可能です。
この強力なネスティング機能を支えるのが、効率的な事前準備です。一括部品登録機能により、複数部品を一度に登録し、文字情報の自動読み取りや自動チェック(穴径チェックなど)で手動での確認時間を大幅に短縮し、ヒューマンエラーを防ぎます。
さらに、部品整列機能で材質・板厚が混在する部品も効率的に配置し、端材/残材管理機能で実形状のまま登録・再利用することで、材料の無駄を徹底的に排除します。
SheetPartnerの公式HPで
の特徴・機能を詳しく見る
AIネストは、Windows10/11 Pro 64bit、第10世代Core i7以上、32GB以上のメモリ、SSD 100GB以上といった推奨動作環境でその真価を発揮します。SheetPartnerのAIネストは、板金加工に未体験の効率とコスト削減をもたらし、生産性向上を強力に推進するツールと言えるでしょう。
OS | Windows10 pro / Windows11 pro (64bitのみ対応) |
---|---|
CPU | 第10世代 Core i7-10700、第12世代 Core i5-12500 以上推奨 |
メインメモリ | 32GB以上推奨 |
ストレージ | SSD 100GB以上推奨 |
画像引用元:トルンプ株式会社公式サイト
http://faservice.co.jp/members/wordpress/wp-content/uploads/2018/09/Newcommand.pdf
異なる機種、材質、板厚で作成された部品をまとめてネスティングすることで、自動で仕分けをしてシート配置します。配置結果はシートごとにプレビューで確認することができ、歩留まり(歩留まり率)も計算されるようになっています。
画像引用元:act/cut公式サイト
https://www.almacam.com/products/almacam-cut/
act/cutは最小限のユーザー介入で操作可能な自動ネスティング機能を備え、直感的に操作ができるように設計されています。 フル自動モードでの操作にも対応をしており、複雑な加工条件でも、アシスタント機能で、材料ロスの減少に貢献してくれるでしょう。
【PR】
レーザー加工業界の
高度化を支える
AI機能搭載のCAD/CAM
レーザー加工を支えるCAD/CAMの導入・乗り換えを検討している人におすすめのレーザーCAD/CAMソフトを紹介します。レーザーCAD/CAMソフトは使用しているレーザー加工機と同一メーカーでなくても利用できることがほとんど。他社ハード、ソフトから乗り換えにも対応してくれる企業を選びましょう。
CAD/CAMソフトはハード機(レーザー加工機)と同メーカーである必要はありません。加工機とソフトが別であっても稼働できるため、すでに加工機を導入している方も、ソフトの見直しで十分にコスト削減を図ることができます。
【選定基準】2021年11月月調査時点でWEB上で確認できるレーザーCAD/CAM取扱業者の公式HPを調査いたしました。
材料コスト削減:公式HPで明記している材料費の削減率が最も高いソフト
人件費削減:アーク溶接まで対応しているなかで実績数が最も多いソフト
管理コスト削減:生産管理機能をオプションで備えているなかで対応メーカーが最も多いソフト